コラム
2025.11.29
高断熱高気密住宅とは?メリット・デメリットから宇治市での基準まで徹底解説
高断熱高気密住宅とは、断熱性と気密性を高めることで室内環境を快適に保ち、省エネ効果も期待できる住宅です。今回は、新築住宅をご検討中の方にぜひ知っていただきたい、住宅性能について徹底解説します。高断熱高気密住宅のメリットとデメリットを知り、家づくりにお役立てください。京都府宇治市で住宅を建てる際の基準もお伝えするので、同エリアにマイホームを建てたい方は最後まで必見です。
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断熱性・気密性が高い住宅とは?

断熱性が高い住宅とは「室内と屋外で熱の移動が少ない住宅」のことをいいます。断熱材を外壁や床下、屋根裏などに隙間なく敷き詰めることで、高い断熱性を持つ住宅を目指します。断熱性を高めることで屋外と屋内で夏の暑さ・冬の寒さが伝わりにくく、過ごしやすい住宅になるでしょう。
気密性が高い住宅とは「隙間からの空気の出入りが少ない住宅」です。気密性が低いと家の至る所から室内の快適な空気が漏れて外気が侵入し、冷暖房の効きを悪くする要因になります。そのため、建築時にはコーキング材といった材料を用いて隙間をなくし、高気密住宅を建てることが重要なのです。
高断熱高気密住宅は、断熱性と気密性がどちらも高い住宅のこと。室内と屋外の間で熱の移動が少なく空気が出入りしにくい特徴があり、省エネ性能と快適性を兼ね備えた住宅といえるでしょう。
高断熱高気密住宅のメリット

ここで、高断熱高気密住宅を建てるメリットを紹介します。
少ないエネルギーで一年中快適に過ごせる
高断熱高気密住宅では、外気温の影響を受けにくくなります。そのため、冷暖房効率が良く、少ないエネルギーで快適に過ごせるでしょう。冷暖房をあまり稼働させる必要がないため、光熱費を削減できます。
ヒートショックが起きにくい
断熱性や気密性が不十分な住宅では、ヒートショックのリスクが高くなります。ヒートショックとは、暖かいリビングや浴室から寒い場所に移動する場合に発生しやすい現象です。とくに冬はリスクが高く、急激に温度が変わることで血圧が大きく変化し、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こします。高断熱高気密住宅は部屋ごとの温度差が小さいため、ヒートショック対策としても非常に有効です。
防音性が高くなる
防音性が高くなる点も、高断熱高気密住宅のメリットのひとつです。高断熱高気密住宅に用いられる断熱材は、屋内と屋外の音を遮断する効果があります。また、隙間や開口部が少ないため室内の音が外部に漏れにくく、周囲の住宅に迷惑をかけずに暮らせます。小さな子どもやペットがいる家庭にも適しているといえるでしょう。幹線道路沿いや住宅密集地など、外部の騒音が気になる環境においても、静かで快適な暮らしを実現できます。
洗濯物が乾きやすい
高断熱高気密住宅は屋外からの湿気の侵入を遮断するため、室内がジメジメしにくく、洗濯物が乾きやすいという特徴があります。雨の日でも室内の湿度が上がりにくいため、生乾きの不快なにおいに悩まされることも少なくなるでしょう。
屋外から花粉やほこりが入りにくい
気密性が高い住宅は隙間が少ないため、外部からの花粉の侵入を抑制できます。また、黄砂やPM2.5といった有害物質の侵入も軽減できるため、アレルギー体質の方にもおすすめです。
結露ができにくい
高断熱高気密住宅では、窓周辺の結露が発生しにくくなります。結露が原因で発生するカビや腐食を抑制できるため、住宅の劣化を防ぐことにもつながります。また、住宅の構造部が湿気によって傷むのを避けられて、家の寿命を延ばす効果も期待できるでしょう。さらに、アレルギー症状の原因となるダニの発生も抑制できるというメリットがあります。
参考元:一般社団法人 住宅生産団体連合会|なるほど 快適・安心なすまい 省エネ住宅
高断熱高気密住宅のデメリット

高断熱高気密住宅にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。ここからは、高断熱高気密住宅を建てるデメリットを見ていきましょう。
初期費用が高額になりやすい
断熱性と気密性を高めるには、専用の部材を使用して、専門性が高い施工をしなければいけません。そのため、一般的な住宅よりもコストがかかりやすくなります。工務店によって費用は異なるため、複数社から見積もりを取得し、比較検討することをおすすめします。高断熱高気密住宅は初期費用が高くなりがちですが、光熱費を抑えながら快適に暮らせるため、長期的な視点で見ると経済的メリットも大きいといえます。ランニングコストも踏まえて、高断熱高気密住宅を建てるかどうか検討してください。
空気が乾燥しやすいと感じることも
高気密高断熱住宅では、室内の絶対湿度(空気中に含まれる水蒸気の重さ)が保たれていても、室温が高く保たれるため、相対湿度(その温度で空気が含める最大の水蒸気量に対して、実際どれくらい水蒸気が含まれているかの割合)が下がることがあります。このため、洗濯物が早く乾くなどのメリットがある一方で、体感として乾燥を感じやすくなる可能性があります。
特に、ドライアイや乾燥肌でお悩みの方は、加湿器を活用して適度な湿度を保つことをお勧めします。ただし、過度な加湿は結露のリスクを高める可能性があるため、室内の状況を見ながら湿度管理を行いましょう。
参考元:一般社団法人 住宅生産団体連合会|なるほど 快適・安心なすまい 省エネ住宅
高断熱高気密住宅を建てる際のポイント

高断熱高気密住宅を建てる際に後悔しないためには、工務店選びが重要です。工務店の経験や技術力によって断熱性・気密性に大きな差が出るため、得意とする工務店に依頼しましょう。モデルハウス見学などで実際に高断熱高気密住宅を体感し、工務店の特徴を確認するのも有効です。
また、工務店を選ぶ際は、気密測定をしているかどうかをチェックするのもよいでしょう。気密測定とは、実際に建てた住宅にどれくらい隙間が空いているかを確認する試験のこと。気密測定を実施している工務店に依頼すると安心です。
宇治市に住宅を建てる際に必要な断熱性能
住宅の断熱性能は、UA値(外皮平均熱貫流率)という数値で表されます。UA値は熱の逃げやすさを示しており0に近いほど熱が伝わりにくい、つまり断熱性能が高い住宅だといえます。UA値を求める計算式は、以下の通りです。
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UA値(W/㎡K)=建物における熱損失の合計(W/K)÷外皮面積(㎡) |
ここでは、宇治市で住宅を建てる際に必要な断熱性能を見ていきましょう。
宇治市の地域区分
日本は地域によって気候に差があるため、国土交通省が全国を8つの地域に分類してUA値の基準を設定しています。地域区分1は寒さが厳しい北海道夕張市など、地域区分8は東京都の小笠原村や沖縄県の市町村といった温暖なエリアが属しています。京都盆地南東部に位置する宇治市は、地域区分6に該当します。
参考元:宇治市|宇治市の現状
参考元:国土交通省|地域区分新旧表
【宇治市】省エネ基準ごとに求められるUA値
宇治市がある地域区分6の省エネ基準ごとのUA値は以下の通りです。
| 基準 | UA値(W/㎡K) |
| 省エネ基準 | 0.87 |
| ZEH水準 | 0.60 |
| HEAT20 G1 | 0.56 |
| HEAT20 G2 | 0.46 |
| HEAT20 G3 | 0.26 |
2025年4月より、新築で住宅を建てる際は省エネ基準に適合していることが義務となりました。つまり、宇治市に新築住宅を建てる場合は、UA値が0.87W/㎡K以下でなければいけません。さらに、2030年度以降はZEH水準の省エネ性能を目指すとされており、今後はクリアすべき基準が段階的に引き上げられる予定です。
グランライフでは、UA値 0.46W/㎡K以下の住宅を実現しています。省エネ基準、ZEH水準をクリアする高い断熱性を誇り、一年を通してエアコン1台で快適に過ごせるのが特徴です。グランライフの高断熱高気密住宅にご興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご連絡ください。
宇治市周辺で高断熱高気密住宅を建てるならグランライフへ

高断熱高気密住宅は、少ないエネルギーで一年中快適に過ごせて、ヒートショックのリスクも減らせます。また、花粉の侵入を抑えられることや、洗濯物が乾きやすくなる、防音性が高まるといった効果も期待できます。ただし、初期費用が高めであることや、高度な施工技術が必要となるため、依頼する工務店選びが非常に重要です。
グランライフでは、お施主様の予算の範囲内で、性能に徹底的にこだわった住宅をご提案しています。断熱性・気密性ともに国が定めた基準よりも厳しい独自基準を設定し、全棟で気密検査を実施しています。夏は涼しく冬は暖かい快適な住まいを宇治市周辺でご検討中の方は、ぜひ一度グランライフにご相談ください。
>>宇治市周辺エリアで建築家と建てる高性能なマイホーム!グランライフの家づくりについてはこちら
記事監修者:一級建築士 大沼 冴子
工学部建築学科卒業、店舗設計会社、建築設計事務所勤務。建築設計事務所では、官公庁の施設・住宅や工場・大規模倉庫など幅広い建築意匠設計に携わる。
現在は設計経験を活かした商品磨き、新メニューやツールの開発、研修などを通した工務店支援に加え、大学の非常勤講師として環境設計の講義を受け持っています。
